倉敷市の公共施設予約システム、20年ぶりの大幅刷新
倉敷市が2025年10月1日から公共施設予約システムを更新し、従来の体育施設のみから文化・保健福祉施設を含む包括的なシステムへと進化させます。総事業費5500万円を投じた今回の更新では、スマートフォン対応デザイン、決済機能の充実、スマートロック機能など最新技術を導入。当面12施設でスタートし、年度末までに41施設へ拡大予定です。
木村:総社市で事業をしている私としても、隣接する倉敷市のデジタル化推進は非常に興味深いですね。これまで電話や窓口でしか予約できなかった施設が、24時間オンラインで予約可能になるのは大きな進歩です。特に、スマートロック機能の導入は全国でも先進的な取り組みと言えるでしょう。
システム更新の歴史的背景と技術的進歩
倉敷市の公共施設予約システムは1998年にスポーツ施設向けとして始まり、2006年4月にクライアント・サーバー形式からオープンソースベースのWebシステムへ移行しました。この2006年の更新から約20年が経過し、今回の全面刷新に至っています。
従来システムの課題は明確でした:
- 体育施設9施設のみの限定運用
- 電話・窓口での現金対応のみ
- ネット空き状況確認の制限
- スマートフォン非対応
新システムでは、これらの課題を一掃し、文化施設5施設(市立美術館、倉敷ふれあいの丘公園、クルクルセンター、環境学習センター、まびふれあい公園)、保健福祉施設3施設(くらしき健康福祉プラザ、水島ふれあいセンター、まびいきいきプラザ)、体育施設4施設(市グラウンド・ゴルフ場、吉岡川北広場、児島マリンプール、真備柔剣道場)を新たに対象に加えます。
| 区分 | 施設名 | 所在地(町名) |
| 文化施設 | 市立美術館 | 中央 |
| 文化施設 | 倉敷ふれあいの丘公園 | 有城 |
| 文化施設 | クルクルセンター | 児島小川町 |
| 文化施設 | 環境学習センター | 水島東千鳥町 |
| 文化施設 | まびふれあい公園 | 真備町箭田 |
| 保健福祉 | くらしき健康福祉プラザ | 笹沖 |
| 保健福祉 | 水島ふれあいセンター | 水島川崎通 |
| 保健福祉 | まびいきいきプラザ | 真備町川辺 |
| 体育施設 | 市グラウンド・ゴルフ場 | 有城 |
| 体育施設 | 吉岡川北広場 | 粒浦 |
| 体育施設 | 児島マリンプール | 児島小川町 |
| 体育施設 | 真備柔剣道場 | 真備町箭田 |
岡山県内他市との比較から見える倉敷市の特色
岡山市は2025年4月1日から施設予約サービスをリニューアルし、対象施設を42施設から99施設へと大幅拡大。スポーツ施設11施設と文化施設46施設を新規追加し、オンライン決済やQRコード決済に対応しました。特に公民館のインターネット予約導入は注目すべき進歩です。
総社市では既に公共施設予約システムが運用されており、スポーツ施設を中心とした予約システムが稼働。利用者は総社市スポーツセンター窓口での利用者登録が必要で、3年間の有効期限が設定されています。2023年12月にはシステム更新も実施され、継続的な改善が図られています。
岡山県レベルでは、施設予約システム専門部会を通じて県と全市町村が参加する共同システムの研究が進行中。2025年10月1日から県システムも更新され、岡山県、津山市、瀬戸内市、真庭市、美作市、早島町が新システムを利用開始予定です。
木村:岡山県内でも自治体ごとに導入時期や機能に特色があるのが面白いですね。岡山市は99施設という規模の大きさ、倉敷市はスマートロック機能、総社市は長期間の安定運用と、それぞれ異なるアプローチを取っています。これは各市の人口規模や財政状況、住民ニーズの違いを反映しているのでしょう。
決済機能の革新とスマートフォン対応の意義
今回の倉敷市システム更新の最大の特徴は決済機能の充実です。従来の電話・窓口での現金対応から、オンライン決済、コンビニ決済、スマートフォンによる開錠機能まで導入されます。
新システムの主要機能:
- 24時間365日予約受付
- リアルタイム空き状況確認
- 多様な決済オプション(オンライン、コンビニ、現金)
- スマートロック対応(一部施設)
- スマートフォン最適化デザイン
全国的にも公共施設予約システムのスマートフォン対応が急速に進んでおり、倉敷市も「スマホで見やすいデザイン」を重視した設計となっています。これは高齢化が進む地方都市において、デジタルデバイドの解消を目指した重要な取り組みといえます。
他自治体の事例では、千歳市の公共施設予約管理システム(事業費666万円)や東神楽町のスマートキーシステム(事業費3493万円)など、全国的に「いつでもどこでも」利用できるシステムが標準となりつつあります。倉敷市の総事業費5500万円は、これらと比較しても本格的なデジタル化への投資といえるでしょう。
2025年は公共施設予約システム「更新年」
岡山県内では2025年が公共施設予約システムの「更新年」となっています:
| 自治体 | 更新時期 | 対象施設数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 岡山市 | 2025年4月 | 99施設 | 公民館予約導入 |
| 倉敷市 | 2025年10月 | 41施設(予定) | スマートロック機能 |
| 岡山県 | 2025年10月 | 6自治体参加 | 共同利用システム |
この同時期の更新は、既存システムの更新サイクルやデジタル田園都市国家構想交付金などの財政支援制度の活用時期が影響していると考えられます。国の政策により、地方自治体のデジタル化が加速している証左といえるでしょう。
木村:総社市の事業者として、近隣自治体のデジタル化の進展は非常に心強いものがあります。岡山県全体で公共サービスの利便性が向上することで、地域全体の魅力向上につながると確信しています。今後はこれらのシステムが連携し、広域での施設利用が可能になることも期待したいですね。
まとめ:地域デジタル化の新たなステージ
倉敷市の公共施設予約システム更新は、単なるデジタル化を超えた住民サービスの質的向上を目指しています。1998年から約25年にわたるシステム発展の歴史を踏まえ、スマートフォン対応、多様な決済機能、スマートロック機能など最新技術を統合した包括的なサービスへと進化しました。
岡山県内他市との比較では、各自治体が独自の特色を活かしながらデジタル化を推進していることが明らかになりました。岡山市の規模の大きさ、倉敷市の技術的先進性、総社市の安定運用、そして県レベルでの共同システム研究と、多様なアプローチが地域全体のデジタル化を牽引しています。
特に注目すべきは、従来の電話・窓口対応から24時間365日のオンラインサービスへの転換です。これにより、仕事や子育てで忙しい世代も気軽に公共施設を利用できるようになり、施設の稼働率向上も期待されます。
木村:今回の倉敷市の取り組みは、長年の蓄積を活かしつつ最新技術を導入するバランスの取れたデジタル化推進事例として高く評価できます。岡山・倉敷・総社エリアがデジタル先進地域として全国の模範となることを期待しています。地域の魅力向上には、こうしたインフラ整備が不可欠ですね。



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