地元に根ざした文具店が30周年を迎える
岡山、倉敷、福山市で文具店「うさぎや」を展開するクラブン(倉敷市阿知)が、1号店の開業から30周年を迎えた。これを記念して、2025年11月1日〜3日の3日間、全6店舗で記念フェアが開催される。
1995年11月1日に倉敷市笹沖に開業した1号店から始まった「うさぎや」は、現在岡山県内に5店舗、広島県に1店舗を展開。文具・雑貨を中心に、地域の文化や暮らしに寄り添う店づくりを続けてきた。30周年フェアでは、地場企業の看板商品を題材にしたオリジナル文具の発売や、マスキングテープのつかみ取り、地域の人気ベーカリーが監修したパンの数量限定販売など、多彩な企画が用意されている。
木村: 30年という節目は本当に大きな意味を持ちますね。地域に根ざした文具店が、地場企業とコラボレーションして地元の魅力を文具で表現するという取り組みは、単なる商品販売を超えた文化発信になっています。倉敷や岡山の魅力を再発見するきっかけとして、こうした活動は非常に価値があると感じます。
うさぎや全店舗と特徴
「うさぎや」は現在、岡山県内5店舗、広島県1店舗の計6店舗を運営している。各店舗の特徴は以下の通りだ。
岡山県内の店舗(5店舗)
| 店舗名 | 住所 | 電話番号 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| うさぎや倉敷店 | 倉敷市笹沖508 | 086-421-8989 | 1号店・カフェ併設 |
| うさぎや岡山店 | 岡山市北区今8丁目15-28 | 086-243-8989 | カフェ併設 |
| うさぎや岡南店 | 岡山市南区千鳥町1-17 | 086-262-8989 | – |
| うさぎや岡山東店 | 岡山市中区浜2丁目4-17 | 086-271-8989 | 2024年7月リニューアル |
| うさぎや倉敷西店 | 倉敷市西阿知町362-1 | 086-465-8000 | – |
広島県の店舗(1店舗)
うさぎや福山南店は広島県福山市川口町4丁目20-17に位置し、電話番号は084-999-8989。こちらもカフェ「ジョルジュ ラパン」が併設されている。
全店舗の営業時間は午前10時〜午後8時となっており、文具や雑貨の買い物だけでなく、併設カフェでゆったりとした時間を過ごすこともできる。
地場企業コラボ文具が示す地域への愛着
30周年フェアの目玉となるのが、岡山・広島の地場企業とコラボレーションしたオリジナル文具だ。うさぎやは2024年7月より地元企業とのコラボレーションを本格化させており、この取り組みは単なる商品展開を超えた地域文化の発信活動として位置づけられている。
岡山木村屋「バナナクリームロール」ボールペン
岡山県民に3世代にわたって愛され続ける「バナナクリームロール」をモチーフにした飾り付きボールペン(715円)が登場。このパンは1955年(昭和30年)頃に誕生し、当時高級品だったバナナを手軽に味わってもらいたいという思いから開発された。
ほどよい甘さの自家製バナナクリームをふっくらしたロールパンにサンドした商品で、倉敷工場で毎日製造され、岡山木村屋の直営店36店舗を含む約80店舗で販売されている。ロングセラー商品の魅力を文具で表現することで、世代を超えた共通の記憶を呼び起こす。
オハヨー乳業「オハヨー牛乳」ステッカー
1956年5月1日に発売された岡山を代表する乳製品「オハヨー牛乳」をモチーフにしたステッカー(220円)も販売される。オハヨー乳業は1953年にカバヤ食品の練乳供給メーカー・大日本乳業として設立され、1957年に現社名へ変更した歴史を持つ。
「オハヨー牛乳」は当時の岡山では珍しかった近代設備を使った宅配商品として登場し、大々的な宣伝効果もあって人気を博した。販売本数は1日最大5万本にものぼり、岡山随一の地場乳業メーカーとして地域に根ざしてきた実績がある。2025年10月には発売70年を記念してパッケージがリニューアルされており、タイミング的にも意義深いコラボレーションとなっている。
大原美術館とのアートコラボレーション
倉敷を代表する文化施設・大原美術館とのコラボレーションも継続されている。クロード・モネ≪睡蓮≫、ポール・シニャック≪オーヴェルシーの運河≫など、所蔵名画をモチーフにした万年筆、ガラスペン、インクを展開。
特に倉敷のガラス工房aunとの協力により制作されたガラスペンは、発売日にサーバーダウンするほどの人気を博したという。30周年フェアでは新作も並べられる予定で、アートと文具の融合による美しいプロダクトが注目を集めそうだ。
木村: 大原美術館とのコラボレーションは、倉敷という街が持つ文化的な厚みを象徴していますね。地場産業の商品と、世界的な名画を所蔵する美術館。この両方を文具という日常的なアイテムに落とし込むことで、地域の魅力が日々の暮らしの中に溶け込んでいく。これこそが本当の意味での地域PR、文化発信だと思います。
地元愛を文具で表現する継続的な取り組み
うさぎやの地場企業コラボレーションは、今回の30周年フェアだけの単発企画ではない。2024年7月より本格化したこの取り組みは、地域の魅力を広く発信し、地元への愛着と誇りを育む活動として継続的に展開されている。
これまでにコラボレーションした企業・施設は以下の通りだ:
- 丸五(地下足袋)
- 倉敷うどん「ぶっかけ」ふるいち
- 橘香堂
- 大手饅頭伊部屋
- 梶谷食品(シガーフライ)
- 池田動物園
これらの地域を代表する企業の看板商品や名物をデザインしたチャーム付きボールペン、ステッカー、ノートなどが次々と発売されている。
こだわりの品質:三菱鉛筆ユニボール1を採用
コラボレーションボールペンには、三菱鉛筆のユニボール1が採用されている。水性ゲルインクで滑らかに書け、黒色が濃くくっきりと記憶に残りやすい特性を持つこのペンは、文具店としてのこだわりを示している。
デザイン性だけでなく、日常的に使う文具として機能性も重視する姿勢は、30年間地域で支持されてきた「うさぎや」の信頼の証といえるだろう。
30周年フェアの多彩な企画内容
11月1日〜3日の3日間で開催される30周年フェアでは、地場企業コラボ文具の販売以外にも、来店客が楽しめる企画が用意されている。
マスキングテープのつかみ取り
参加料500円で、マスキングテープのつかみ取りに挑戦できる。文具好きにとっては、多種多様なデザインのマスキングテープを一度に手に入れられる魅力的な企画だ。
地域の人気ベーカリー監修のパン販売
地域の人気ベーカリーが監修したサンドイッチやパンが数量限定で販売される。文具店でありながらカフェ「ジョルジュ ラパン」を併設している店舗もある「うさぎや」らしい、暮らしを豊かにする企画といえる。
木村: 文具とパン、一見関係なさそうですが、どちらも日常を彩る大切な要素です。文具を選ぶ楽しさと、地元のパンを味わう喜び。この組み合わせは、うさぎやが単なる文具の販売店ではなく、地域の暮らしを豊かにする場所であろうとする姿勢の表れですね。
まとめ:地域と共に歩む30年、そしてこれから
文具店「うさぎや」の30周年は、単なる企業の節目ではなく、地域と共に歩んできた30年の証といえる。1995年に倉敷市笹沖に1号店を開業して以来、岡山・広島エリアで6店舗を展開し、文具・雑貨を通じて地域の暮らしに寄り添ってきた。
特筆すべきは、2024年7月から本格化した地場企業とのコラボレーションだ。岡山木村屋のバナナクリームロール、オハヨー乳業のオハヨー牛乳、大原美術館の名画、そして丸五の地下足袋や倉敷うどん、池田動物園など、地域を代表する企業・施設の魅力を文具という日常的なアイテムに落とし込む取り組みは、地域文化の発信活動として大きな意義を持つ。
30周年フェア(11月1日〜3日)では、これらのコラボ文具の販売に加え、マスキングテープのつかみ取りや地元ベーカリー監修のパン販売など、来店客が楽しめる多彩な企画が用意されている。全6店舗で同時開催されるため、岡山・倉敷・福山の各地域で気軽に参加できるのも魅力だ。
木村: 30年という歳月は、単に長いというだけでなく、地域に根を下ろし信頼を積み重ねてきた証です。うさぎやの取り組みから学べるのは、①地域の魅力を発見し再発信すること、②日常的なアイテムに地域らしさを込めること、③継続的に地域と関わり続けることの3点。これらは、岡山・倉敷・総社エリアで事業を営む私たちにとって、非常に示唆に富むモデルケースです。地域に愛される企業とは何か、その答えがここにあります。



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