総社で50年のセロリ農園、猛暑で全滅→ハウスにクーラー導入支援のクラファン募集中

50年続いた総社のセロリ畑が、一夏で「ゼロ」になった

2025年の夏、岡山県総社市で半世紀以上にわたってセロリとメロンを栽培してきた「剱持農園(けんもちのうえん)」に、これまで経験したことのない事態が起きました。それは、「一切、芽が出ない」という異常事態です。

剱持農園では毎年、ビニールハウスでセロリの種を蒔き、育苗してきました。しかし2025年の夏、記録的な猛暑によってハウス内の温度は日中50度近くまで上昇。セロリは本来、冷涼な気候を好む作物であるため、この異常な高温環境では発芽すらできませんでした。何度種を蒔き直しても、結果は同じ。50年以上続けてきた栽培で初めて、「芽が出ない」という現実に直面したのです。

この危機的状況を打開するため、剱持農園はクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」を通じて支援を募ることを決断。ビニールハウスにクーラー設備を導入し、猛暑の中でも安定してセロリを栽培できる環境を整えるというプロジェクトを立ち上げました。

木村

木村のコメント

気候変動が、こんなにも身近な場所で、こんなにも深刻な影響を及ぼしているんですね。「芽が出ない」というのは、農家にとって本当に絶望的な状況です。でも、その危機を「設備投資のきっかけ」に変えようとする姿勢には、強い意志を感じます。総社の農業を守るための一歩として、多くの方に知ってもらいたいプロジェクトです。

総社市を襲った「猛暑」という見えない敵

近年、岡山県総社市でも夏の最高気温が35度を超える猛暑日が珍しくなくなっています。2025年の夏は特に厳しく、全国各地で40度超えを記録する地域も相次ぎました。総社市も例外ではなく、連日の猛暑によって露地栽培だけでなく、ビニールハウス内の作物にも深刻な高温障害が発生しています。

セロリは元々、涼しい気候を好む野菜として知られています。発芽適温は15〜20度程度とされており、30度を超えると発芽率が極端に低下します。ハウス内が50度近くまで上昇する環境では、種が「休眠状態」に入ってしまい、いくら水を与えても芽を出すことができません。

剱持農園では、これまで夏場の高温期には遮光ネットや換気扇などで温度管理を行ってきました。しかし、2025年の猛暑はそうした従来の対策では到底追いつかないレベルでした。ハウス内の温度を下げるには、もはや「冷房設備」の導入が不可欠――そんな結論に至ったのです。

気候変動が農業経営に与える影響

気候変動は今や、農業経営における最大のリスク要因の一つです。特に小規模な家族経営の農家にとっては、一度の不作が経営存続に直結します。剱持農園のように、何十年と続けてきた栽培方法が通用しなくなるという事態は、全国の農家が直面し得る問題です。

  • ✔ 高温による発芽不良・生育不良
  • ✔ 病害虫の発生パターンの変化
  • ✔ 従来の栽培暦が使えなくなる
  • ✔ 設備投資の負担増大

こうした課題に対応するため、設備投資や栽培技術の見直しが求められていますが、その費用は決して小さくありません。今回のクラウドファンディングは、まさに「未来への投資」を支援者とともに実現しようという試みなのです。

なぜリターンは「セロリ」ではなく「メロン」なのか?

このクラウドファンディングで注目すべき点の一つが、リターンがセロリではなく「メロン」であるという点です。一見すると、「セロリを救うプロジェクトなのに、なぜメロン?」と疑問に思うかもしれません。

その理由は明確です。剱持農園の説明によれば、セロリは来年以降も気温次第で安定して収穫できるか確信が持てないためです。クラウドファンディングのリターンとして約束する以上、確実に届けられる商品を選ぶ必要があります。そこで、剱持農園が長年栽培してきた、もう一つの看板商品である「メロン」をリターンに設定したのです。

剱持農園のメロンへのこだわり

剱持農園では、セロリだけでなくメロン栽培にも力を入れています。その特徴は、「朝採れ」「鮮度最優先」という徹底したこだわりです。メロンは収穫のタイミングが味を大きく左右する作物。完熟の見極めは経験と技術が必要で、剱持農園では長年の栽培ノウハウを活かして、最高のタイミングで収穫したメロンを発送しています。

リターンとして提供されるのは、2026年夏に収穫予定の朝採れメロンです。支援者には、総社の大地で育った甘くて瑞々しいメロンが届けられます。「セロリを救うために、まずはメロンで支援する」――この構図は、農園の未来を支える”つなぎ”の役割を果たしています。

木村

木村のコメント

「セロリを守るためにメロンを届ける」というのは、一見矛盾しているようで、実は非常に誠実な選択だと思います。約束を守れるかわからないものをリターンにするのではなく、自信を持って届けられるものを選ぶ。この姿勢こそが、長く続く農園の信頼の証ですね。メロンを楽しみながら、セロリの復活を応援する――そんな支援の形もいいんじゃないでしょうか。

総社市から生まれる「小さな挑戦」の系譜

実は総社市では、これまでにもCAMPFIREを通じたクラウドファンディングプロジェクトがいくつか立ち上がっています。その多くは、地域の小さな事業者や生産者が、新しい挑戦をするための資金調達手段として活用してきました。

総社発のクラウドファンディング事例

プロジェクト名 概要
焙煎ラボ設立プロジェクト 地元でコーヒー焙煎の拠点を作り、こだわりの豆を提供
ねこ農園プロジェクト 保護猫と農園を組み合わせた、地域共生型の野菜栽培
剱持農園ハウスクーラー計画 猛暑対策としてハウスにクーラーを導入し、セロリ栽培を再開

これらのプロジェクトに共通するのは、「量より質」「地域とのつながり」「持続可能性」を重視する姿勢です。大規模な資本投下ではなく、地域に根ざした小さな事業者が、クラウドファンディングという手段を使って、共感してくれる人々とつながり、一歩ずつ前進していく――そんな動きが、総社市では確実に広がっています。

総社市は「福祉のまち」としても知られていますが、こうした「小さな挑戦を支え合う文化」も、この街の大きな魅力の一つと言えるでしょう。剱持農園のプロジェクトも、その系譜に連なる新たな一歩です。

まとめ:気候変動時代の農業を、地域で支える

剱持農園が直面した「セロリの全滅」は、決して他人事ではありません。気候変動は今後も進行し、これまで「当たり前」だった栽培方法が通用しなくなる事態は、全国各地で起こり得ます。そんな中で、設備投資によって栽培環境を整え、持続可能な農業を目指すという剱持農園の挑戦は、非常に意義深いものです。

今回のクラウドファンディングは、単なる資金調達ではありません。それは、「総社の農業を守る」という意志を、支援者と農園が共有するプロセスです。リターンとして届くメロンは、その証であり、未来への希望の象徴でもあります。

総社市では、こうした小規模事業者の挑戦がいくつも生まれています。地域の「食」を支える現場を、地域全体で応援する――そんな文化が、今後さらに根付いていくことを期待したいところです。

木村

木村のまとめ

気候変動という大きな課題に対して、一つの農園ができることは限られているかもしれません。でも、「できることから始める」という姿勢こそが、持続可能な未来への第一歩です。剱持農園のプロジェクトは、その象徴だと思います。

✓ 猛暑という課題に正面から向き合う
✓ クーラー導入で栽培環境を改善
✓ 支援者とともに未来を築く

これらのポイントが、このプロジェクトの価値を物語っています。総社の農業を、そして地域の食を守るために、多くの方に支援の輪が広がることを願っています。

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