岡山県「街の幸福度」2025年版|総社・倉敷・岡山市の順位と変化

2025年版「街の幸福度ランキング」で見えた岡山県の姿

2025年12月、大東建託が毎年発表している「街の幸福度&住み続けたい街ランキング」の岡山県版および中国版が公開されました。このランキングは、実際に住んでいる人々の声をもとに、各自治体の「幸福度」と「定住意向」を数値化したもので、全国で約14万人以上が回答する大規模調査です。

今回のランキングで特に注目されるのは、岡山県内で早島町、矢掛町、総社市がトップ3を独占したこと。しかも「街の幸福度」と「住み続けたい街」の両方でこの3自治体が上位に並び、県内だけでなく中国地方全体でも高い評価を得ています。

一方、倉敷市や岡山市(北区・中区・東区・南区)も、偏差値50台後半から60前後を維持し、県内上位グループに位置しています。順位に多少の変動はあるものの、住民からの評価は総じて安定しており、「暮らしやすさ」が数字として表れています。

木村

木村: 総社がトップ3に2年連続で入っていることは嬉しいですが、それ以上に注目したいのが、倉敷や岡山市も含めてこのエリア全体が安定して高評価を得ている点です。これは吉備路エリア全体の「住みやすさ」が認められているということだと思います。

岡山県版ランキングの全体像と順位変動

まず、2025年の岡山県版ランキングの全体像を整理してみましょう。

街の幸福度ランキング(岡山県版)

順位 自治体 2025年偏差値 2024年順位
1位 都窪郡早島町 2位
2位 小田郡矢掛町 1位
3位 総社市 61.6 3位
4位 瀬戸内市
5位 赤磐市
6位 岡山市東区 57.7 9位
7位 岡山市北区 57.0 6位
8位 岡山市中区 56.3 7位
9位 倉敷市 54.9 8位
10位 岡山市南区 53.0 圏外

住み続けたい街ランキング(岡山県版)

順位 自治体 2025年偏差値 2024年順位
1位 小田郡矢掛町 3位
2位 都窪郡早島町 2位
3位 総社市 67.2 1位
4位 倉敷市 59.6 5位
5位 岡山市東区 58.0 6位
6位 浅口郡里庄町
7位 岡山市南区 56.5 8位
8位 岡山市中区 55.0 9位
9位 浅口市
10位 笠岡市

この表から読み取れる重要なポイントは、「幸福度」と「住み続けたい」の両方で総社・早島・矢掛の3自治体がトップ3を独占していることです。これは単なる一時的な評価ではなく、住民が実感として感じている「暮らしやすさ」と「この街に住み続けたい気持ち」が一致している証拠といえます。

総社市:2年連続3位の安定した高評価とその背景

総社市は「街の幸福度」で2年連続3位(偏差値61.6)、「住み続けたい街」でも3位(偏差値67.2)と、両方のランキングでトップクラスの評価を維持しています。2024年の「住み続けたい街」では1位でしたが、2025年は3位に後退したものの、偏差値は依然として70に近い高水準を保っています。

総社市の強みは、プレスリリース内でも指摘されている「誇りがある・愛着がある」という項目で非常に高い評価を得ていることです。これは単なる「便利さ」や「新しさ」だけでなく、地元への感情的なつながりが強い街であることを示しています。

総社市の魅力を構成する要素

  • 子育て環境の充実: 保育施設の整備や子育て支援策が充実しており、共働き世帯にとっても暮らしやすい環境
  • ベッドタウンとしての利便性: 岡山市中心部へのアクセスが良好で、通勤・通学に便利
  • 歴史と自然のバランス: 備中国分寺をはじめとする歴史的スポットと、田園風景が共存する景観
  • 防災・減災への取り組み: 西日本豪雨の被災経験を経て、防災意識の向上と安心感の醸成が進んでいる

中国版ランキングでも総社市は上位20位内に含まれており、中国地方全体でも存在感のある自治体として認識されています。偏差値60台という数字は、県内だけでなく広域で見ても「安定高評価」の街であることを示しています。

木村

木村: 総社市のランキングを見ていて感じるのは、数字の高さだけでなく、その「安定感」です。劇的な変化や開発よりも、日々の暮らしの中で「ここに住んでいて良かった」と思える瞬間の積み重ねが、この評価につながっているのだと思います。

倉敷市:「住み始めると離れがたい街」という評価

倉敷市の数字を見ると、興味深い傾向が浮かび上がります。

  • 街の幸福度: 2024年8位 → 2025年9位(偏差値54.0 → 54.9)
  • 住み続けたい街: 2024年5位 → 2025年4位(偏差値58.9 → 59.6)

順位だけを見ると、幸福度は1つ下がり、住み続けたいは1つ上がっています。しかし重要なのは偏差値の変化で、両方とも前年より数値が上昇していることです。つまり、倉敷市民の満足度は実際には向上しており、特に「ずっと住みたい」という定住志向が年々強まっていることがわかります。

倉敷市の二面性:観光都市と生活都市

倉敷市は美観地区三井アウトレットパーク倉敷など、観光地としての顔が広く知られています。しかし実際に暮らす人々にとっては、それ以外の要素が重要です。

  • 多様なエリア構成: 児島(ジーンズの街)、玉島(港町)、真備(復興の街)など、地区ごとに異なる特性と暮らし方
  • 広域交通のハブ: 岡山市へも福山方面へもアクセスしやすく、通勤・通学の選択肢が広い
  • 産業の多様性: 水島工業地帯を抱え、雇用の受け皿が大きい
  • “ちょうどいい不満の少なさ”: 大都市ほど混雑せず、田舎すぎず、程よいバランス

「幸福度よりも住み続けたいの順位が高い」という特徴は、「住み始めると離れがたい街」という倉敷の本質を示しています。日常の中で感じる小さな不便さはあっても、総合的には「ここを離れる理由がない」と感じる住民が多いということです。

岡山市4区:それぞれの個性と数字から見える変化

岡山市は区ごとにデータが出ているため、より細かい分析が可能です。それぞれの区の特徴を数字とともに見ていきましょう。

北区:中心市街地の利便性と文教エリアの魅力

  • 幸福度:2024年6位 → 2025年7位(偏差値55.6 → 57.0)
  • 住み続けたい街:トップ10圏外
  • 住みここち:3位に入るなど、高い居住満足度

北区は岡山市の中心市街地を含み、商業施設や公共機関、教育機関が集積しています。「便利さ」と「暮らしやすさ」が評価されている一方、「住み続けたい」ではトップ10圏外となっているのは、転勤族や学生など流動性の高い層が多いことが影響している可能性があります。

中区:生活感ある住宅街としての安定評価

  • 幸福度:2024年7位 → 2025年8位(偏差値55.6 → 56.3)
  • 住み続けたい街:2024年9位 → 2025年8位

中区は順位に大きな変動はないものの、偏差値は着実に上昇しています。派手さはなくとも、住宅街としての安定感が評価されていると考えられます。

東区:ここ数年で評価が急上昇している注目エリア

  • 幸福度:2024年9位 → 2025年6位(偏差値53.9 → 57.7)
  • 住み続けたい街:2024年6位 → 2025年5位

東区は最も注目すべき変化を見せています。幸福度で3ランクアップ、偏差値も約4ポイント上昇と、評価が大きく向上しています。新しい住宅開発、子育て環境の整備、自然環境の豊かさなどが、子育て世代を中心に支持を集めていると推測されます。

南区:これから伸びるポテンシャルを秘めたエリア

  • 幸福度:2025年に初めてトップ10入り(10位)
  • 住み続けたい街:2024年8位 → 2025年7位

南区は2025年に初めて幸福度でトップ10入りを果たしました。臨海部、農地、住宅地が混在する多様なエリアで、「まだ伸びしろのある区」として、今後の発展が期待されます。

木村

木村: 岡山市の4区それぞれが違う個性を持ちながら、どの区も着実に評価を上げているのが印象的です。特に東区の伸びは目覚ましく、区ごとの取り組みが住民の満足度に直結していることがわかります。

まとめ:吉備路エリア全体の「暮らしやすさ」という価値

2025年版「街の幸福度&住み続けたい街ランキング」を総社・倉敷・岡山市の視点で読み解いてきました。ここで改めて全体像を整理すると、次のようなポイントが見えてきます。

2025年ランキングから見える3つのポイント

  1. 総社・早島・矢掛の「トップ3独占」は、吉備路エリア全体の評価
    これら3自治体は地理的にも近く、生活圏として重なる部分も多くあります。トップ3独占は、点ではなく「エリア」として暮らしやすいことを示しています。
  2. 倉敷・岡山市の「安定した上位グループ維持」は、都市基盤の強さ
    派手なランクアップはなくとも、偏差値が着実に上昇していることは、住民の満足度が実際に向上している証拠です。
  3. 「幸福度」と「住み続けたい」のギャップから見える各街の個性
    総社は両方で高評価、倉敷は住み続けたいが高め、岡山市東区は両方で急上昇など、数字の違いがそれぞれの街の個性を表しています。

また、早島町矢掛町といった近隣の「スター自治体」の存在も見逃せません。中国版ランキングでは矢掛町が住み続けたい街1位、早島町が3位と、中国地方全体でトップクラスの評価を得ています。総社・倉敷・岡山からも車で30分圏内という距離にあり、休日のドライブや移住検討の候補地として、「お隣のスター」を身近に感じられる環境にあります。

調査の本質:「幸福度」と「住み続けたい」が測るもの

このランキングの基になっているのは、次の2つの指標です。

  • 街の幸福度: 「全体としてみて、あなたは現在、幸せですか、あるいは不幸せですか」という問いに、1点(非常に不幸)〜10点(非常に幸福)の10段階で評価
  • 住み続けたい街: 「今住んでいる街に、ずっと住んでいたいと思う」という問いに、「そう思う」100点〜「そう思わない」0点の5段階で評価

つまり、「幸福度」は「今の自分の幸せ感」を、「住み続けたい」は「この街との将来の関係性」を聞いている指標です。総社が両方で高いのは「今も満足、将来も住みたい」、倉敷が住み続けたいで高いのは「離れがたさ」、岡山市東区が両方で伸びているのは「急速な環境改善」を反映していると読み解けます。

木村

木村: このランキングが教えてくれるのは、「どこが1位か」ということ以上に、「この地域全体が暮らしやすい」という事実です。総社、倉敷、岡山、そして早島や矢掛。それぞれに違う魅力があり、どこに住んでいても「誇れるポイント」がある。これが吉備路エリアの本当の強みだと思います。数字はその証明であり、これからもこのエリア全体で高め合っていけることを期待しています。

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