「データで見る岡山」が面白い——101の指標とは何か
岡山県は毎年、「101の指標からみた岡山県」という統計冊子を発行しています。令和8(2026)年版が2026年3月24日に公開されました。
この冊子は、自然環境・人口・経済・労働・教育・医療・家計・防災・財政など幅広い分野から101項目をセレクトし、全国47都道府県の中での岡山県の順位と数値をグラフ付きで紹介したもの。「岡山ってどんな県?」という問いに、データで答えてくれる一冊です。
総社・倉敷・岡山に暮らしていると、「まあまあ住みやすいな」という感覚はあっても、それが全国的にどのレベルなのかはなかなかわかりません。この冊子はそんな「なんとなく」を数字に変換してくれます。
今回は、特に注目すべき指標をピックアップして紹介します。
岡山が全国1位の3指標——「晴れ」「図書館」「女性の長寿」
① 降水量1mm未満の日数(平年値):276.7日で全国1位
「晴れの国おかやま」はキャッチコピーだけではありません。気象庁データによると、岡山県(岡山市観測点)の年間降水量1mm未満の日数は276.7日(平年値)で全国トップ。全国平均247.4日を約1か月上回ります。
| 順位 | 都道府県 | 日数(日) |
|---|---|---|
| 1位 | 岡山 | 276.7 |
| 2位 | 山梨 | 276.1 |
| 3位 | 兵庫 | 271.7 |
| 全国平均 | — | 247.4 |
| 最下位 | 富山 | 186.7 |
日照時間でも全国10位(2,341.4時間)、年間降水量も全国4位の少なさ(837.5mm)と、「晴れ系」の指標でことごとく上位に入っています。農業・観光・日々の生活の快適さに直結するデータです。
② 都道府県立図書館の個人貸出数:114万5,432冊で全国1位
岡山市北区にある岡山県立図書館の個人貸出冊数が、令和6年度も全国都道府県立図書館の中で1位を記録。貸出数は114万5,432冊で、2位の長崎県(762,141冊)を38万冊以上引き離しています。
| 順位 | 都道府県 | 貸出数(冊) |
|---|---|---|
| 1位 | 岡山 | 1,145,432 |
| 2位 | 長崎 | 762,141 |
| 3位 | 香川 | 721,534 |
| 全国平均 | — | 321,474 |
100万冊を超えているのは全国で岡山のみ。岡山駅から徒歩圏内という立地、約945万冊の蔵書(公共図書館全体)、そして利用しやすい環境の整備が数字に表れています。
③ 女性の平均寿命:88.29歳で全国1位
厚生労働省「令和2年都道府県別生命表」において、岡山県の女性平均寿命は88.29歳で全国1位。男性も81.90歳で全国10位と高水準です。
| 順位(女性) | 都道府県 | 平均寿命(年) |
|---|---|---|
| 1位 | 岡山 | 88.29 |
| 2位 | 滋賀 | 88.26 |
| 3位 | 京都 | 88.25 |
| 全国値 | — | 87.60 |
温暖な気候、医療体制の充実(医師数全国7位)、地域コミュニティの密度など、複数の要因が重なっています。
岡山の「気になる」指標——課題も正直に見る
良い面ばかりを並べても意味がありません。101指標には、岡山県が課題を抱える項目も正直に掲載されています。
人口減少:年間△0.84%(全国23位)
令和6年の人口増減率は△0.84%で全国23位(ワースト方向)。総人口は183万1,218人(令和6年10月)で、年間約1万5千人規模で減少しています。転出超過数も全国39位(△5,594人)と厳しい状況です。
合計特殊出生率は1.27で全国19位。全国平均(1.15)は上回っているものの、人口を維持するために必要とされる水準(2.07前後)には遠く及びません。
県民所得:人口1人当たり255.3万円(全国44位)
製造品出荷額(全国16位・約7兆円)など産業基盤は厚い一方、県民所得は255.3万円で全国44位と低め。常用労働者の現金給与総額も319,245円/月(全国14位)と相対的に高くはありません。経済規模と家計への分配のギャップは、今後の地域課題のひとつです。
高齢化率:31.2%(全国28位)
65歳以上の割合は31.2%で全国28位。後期高齢者(75歳以上)の割合は18.4%で全国21位です。要介護者比率は21.6%(全国43位)と高く、介護需要の増加は避けられない課題です。
ただ、百歳以上人口は人口10万人当たり103.00人で全国24位と高く、長生きできる土地であることは間違いありません。
木村の一言

木村:
「101の指標を眺めていると、岡山の強みと弱みが一枚の地図のように見えてきます。晴れの多さや図書館の充実は誇らしい。でも人口減少や県民所得の低さは、地域で仕事をつくる立場から見れば直視すべき数字です。データは「すごいね」で終わらせるためにあるのではなく、次の一手を考えるための素材だと思っています。」
まとめ——岡山の「数字」を自分ごととして読む
「101の指標からみた岡山県(令和8年版)」は、晴れの日の多さ・図書館の利用率・女性の長寿という3つの全国1位を含む、岡山の実態を多角的に示したデータ集です。観光PRではなく、統計という客観的な尺度で岡山の実力と課題を同時に示している点に価値があります。
冊子は無料で配布されています。
- 岡山県庁1階 県民室
- 岡山県庁3階 統計分析課
- 各県民局
- 郵送:定型封筒+切手180円を同封して下記へ申込
📮 申込先:〒700-8570 岡山市北区内山下2-4-6
岡山県総合政策局統計分析課内「101の指標からみた岡山県」係
電話:086-226-7258
また、岡山県公式ページからPDF・Excelデータも項目別に無料ダウンロードできます。

木村:
「岡山に住んで、岡山で仕事をしていると、この土地の”なんとなく暮らしやすさ”は体感できます。でも、その感覚をデータで確認できるのはやっぱり面白い。晴れが多い・図書館が使いやすい・女性が長生きできる——これが全国トップレベルだと知ると、岡山を選んで暮らすことへの解像度が上がる気がします。人口減少という課題も含めて、地域を数字で理解することは、ここで生きていく上での基礎体力だと思います。」



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