岡山・津山から、日本の水と森を守る挑戦が始まった
岡山県津山市を拠点に活動する環境保全団体「地球防衛群」(代表:杉山孔太)が、水源地と山林を世代を超えて守り続けるための一般財団法人の設立を発表しました。その立ち上げ資金を募るクラウドファンディングが、プラットフォーム「For Good」にて2026年4月20日(月)より開始されています。
岡山県は吉備高原をはじめとする豊かな森林地帯を持ち、津山市周辺にも清流・苫田ダムや旭川水系など、瀬戸内を潤す水源が広がっています。総社市・倉敷市・岡山市という人口集積地の暮らしを支える水の多くは、こうした上流域の山林に依存しています。その山林や水源地をめぐる状況が、静かに変わりつつある——地球防衛群の問題提起は、岡山に暮らす私たちにとっても他人事ではありません。
- クラウドファンディングURL:https://for-good.net/project/1003493
- 募集期間:2026年4月20日(月)〜 2026年5月31日(日)
- 目標金額:500万円(All-in方式)
なぜ今、水源地保全の「財団法人」が必要なのか
地球防衛群がこのタイミングで法人格の取得を決断した背景には、個人・任意団体の活動だけでは対応しきれない現実があります。水源地を守るには土地を長期保有できる主体が必要であり、地域住民の相談に応え続けるには継続的な窓口機能が欠かせません。また、活動を世代を超えて引き継ぐには、個人の熱意に依存しない組織としての器が必要です。
設立する一般財団法人「地球防衛群」は、以下の5つの柱を活動軸として定めています。
- 水源地・山林の保全と長期的な維持管理——財団として土地を保有・管理し、将来世代に引き渡せる形を作る
- 水質浄化・生態系の再生支援——里山再生プロジェクトを地域・専門家と連携して推進
- 環境に関する調査・情報発信——全国の事例を客観的に記録・発信し、論点を整理
- 自治体向け「水源地保全条例テンプレート」の作成・提供——全国の先行条例を調査し、地域が使える雛形を無償公開
- 環境トラブル相談窓口の設置と専門家連携——弁護士等と連携し、地域住民の法的サポートを提供
さらに森林整備・里山再生・環境教育も活動に含め、次世代を育てる取り組みも並行して行います。
代表の杉山孔太氏は、設立の思いをこう語っています。
「山道を歩いていて、ある日、いつもの森が変わっていたことに気づきました。切り株の年輪を数えながら、ここに立っていた木々が生きていた時間の長さを思いました。誰かを責めたい気持ちではなく、『このままではいけない、自分たちも守る側に立とう』という気持ちが生まれたのを覚えています。残すと決めた土地を、静かに、確実に、次の世代へ渡していく。そんな器を、全国のみなさんと一緒につくれたらと願っています。」
——代表・杉山孔太
一般財団法人の設立後は、活動実績と公益性を積み上げながら、最短スケジュールでの「公益財団法人」への移行を目指します。公益認定により、税制優遇を通じた寄付の促進・社会的信頼性の向上が図られ、「日本の水と森は、世代を超えて共有されるべき公益である」という理念が制度として裏付けられることになります。
データで見る「水源地の今」——林野庁の公表データが示す現実
このプロジェクトの問題提起は特定の思想に基づくものではなく、公的機関が毎年公表しているデータに根ざしています。
◆ 外国資本による日本の森林取得状況(林野庁 公表)
令和6年(2024年)までの累計で、外国資本(海外法人および国内の外資系企業等)に取得された日本の森林は累計10,396ヘクタールに上ります。これは東京ドーム約2,200個分に相当します。
| 区分 | 令和6年(2024) 取得面積 | 累計面積(H18〜R6) |
|---|---|---|
| 海外にある外国法人等 | 171 ha | 3,044 ha |
| 国内の外資系企業等 | 211 ha | 7,352 ha |
| 合計 | 382 ha | 10,396 ha |
出典:林野庁「外国資本による森林買収に関する調査の結果」令和7年9月公表
重要な点として、林野庁は「外国資本が日本の水を枯らした」という確定的な実害の報告は現時点では上がっていないとしています。ただし、ダミー会社等を経由して最終的な所有者が把握しづらいケースがあることは公的にも指摘されています。地球防衛群が訴えるのは「すでに起きた被害の糾弾」ではなく、「これから起きうる事態に社会として備える」という前向きな姿勢です。
◆ 制度的な論点:土地を買えば、その下の水にも関われてしまう
日本では、土地を取得するとその下の地下水の利用についても広く関われてしまう構造があります(民法第207条)。国籍を問わず全所有者に共通する仕組みですが、水源地という「地域で共有されてきた公共性の高い資源」については、特別な考慮が求められます。
現在、都道府県・市町村では「水源地保全条例」を独自に定める動きが広がっています(北海道、山形、群馬、埼玉、長野、山梨など)。売買前の事前届出や水源保全地域の指定を通じて、「気づかないうちに所有者が変わっていた」状況を防ぐ仕組みです。ただし、条例にも限界があります。
- 土地の売買そのものを禁じることは財産権との関係で原則できない(事前届出・勧告が中心)
- ダミー会社経由の取引では最終的な所有者の把握が困難なケースがある
- 条例を持つ自治体はまだ一部に限られ、強度も地域ごとに異なる
だからこそ地球防衛群は、「買って守る」「条例で位置づける」「国へ声を届ける」の3層を組み合わせた重層的な保全の仕組みを目指します。
- 財団による土地の取得・長期保有——民間でできる最終的な守り方
- 自治体向けの条例テンプレートの作成・提供——地域が使える「たたき台」を社会に増やす
- 国への制度提言・情報発信——現場の声を立法・行政の議論に届ける
◆ メガソーラー・風力発電と水源地の問題

再生可能エネルギーの導入は気候変動対策として不可欠です。一方で、山林を大規模に伐採してパネルを敷き詰めるメガソーラーや山系に設置される大規模風力発電は、選定・規模によっては地下水の涵養、土砂の安定、野生生物の生息域、騒音・低周波、景観などをめぐって地域で「乱開発ではないか」との声が上がることがあります。
地球防衛群は特定の事業者や発電方式と対立するのではなく、現場で何が起き、何が失われつつあるかを事実として記録・発信することで、エネルギーと水・森の両立を考える材料を増やしていくとしています。
これは岡山・総社・倉敷でも無縁ではありません。岡山県内でも山間部のメガソーラー開発をめぐる地域住民の声は各地にあり、水脈や生態系への懸念が上がっているケースが報告されています。
財団設立ロードマップとクラウドファンディングの詳細

■ 法人化ロードマップ
- 2026年4月 クラウドファンディング開始
- 2026年5月 クラウドファンディング終了(5月31日)
- 2026年6月 リターン発送開始
- 2026年夏 一般財団法人「地球防衛群」設立登記/公式サイト公開・アンバサダー掲載
- 2026年内 モデル地区での保全活動開始
- 以降 活動実績と公益性を積み上げ、最短スケジュールでの公益財団法人化を目指す
■ クラウドファンディング概要
- プラットフォーム:For Good(カテゴリー:環境・エシカル)
- プロジェクト名:七世代先の子どもたちへ「命の水と森」を残す。財団法人『地球防衛群』設立の挑戦
- 実施期間:2026年4月20日(月)〜 2026年5月31日(日)
- 目標金額:500万円
- 方式:All-in方式(目標金額に達しない場合もプロジェクトを実行し、リターンをお届けします)
- URL:https://for-good.net/project/1003493
【目標金額の内訳】
- 財団設立準備費用:約300万円
- 登記・事務費:約50万円
- Webサイト構築費用:約50万円
- 里山再生事業費用:約100万円
まとめ——「守る側に立つ」という選択肢を、岡山から
地球防衛群が掲げる「七世代先の子どもたちへ、澄んだ水と豊かな森を残す」という理念は、壮大に聞こえますが、取り組みの内実は極めて実務的です。外国資本による森林取得の累計10,396haという公的データを踏まえ、条例整備・土地取得・国への提言という3層の仕組みを民間主導で実装しようとしている。そこには、感情論ではなく、構造的な課題解決への真摯な姿勢があります。
岡山県内においても、津山市周辺の山林や吉備高原の水源地は、倉敷・総社・岡山市民の生活インフラを支える基盤です。その水の源がどんな状態にあり、どんな変化を迎えつつあるかを知り、守る側に回る仕組みを持つこと——それは、岡山という地域全体にとっての課題でもあります。
【団体概要・お問い合わせ先】
- 団体名:地球防衛群(※一般財団法人設立準備中/将来的に公益財団法人への移行を目指す)
- 代表者:杉山 孔太(すぎやま こうた) / es株式会社 代表・一般社団法人530運動 代表・山方エコビレッジ 代表
- 事務局長:小野 誠(著書『みんなでできる地球のおそうじ〜わたしから始める環境革命〜』)
- 所在地:〒708-0006 岡山県津山市小田中1403
- メールアドレス:kanri@e-s-inc.com
- 公式ウェブサイト:(準備中)
- SNS:
Instagram /
TikTok /
Facebook /
YouTube
【参考資料】
林野庁「外国資本による森林買収に関する調査の結果」(令和7年9月公表)
北海道庁「海外資本等による森林取得状況」(2024年分)
民法 第207条(土地所有権の範囲)
元記事:PR TIMES



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