岡山の学生が選ぶ「働きたい地場企業」—2027年春卒業予定版ランキング発表
山陽新聞社の就活DASH!事務局が、2027年春卒業予定の大学生ら1,088人を対象に実施した「地場企業・団体の希望就職先ランキング」が発表されました。調査期間は2025年6月〜2026年4月で、同社主催の就活イベントでアンケートを実施。第1希望を5点、第2希望を3点、第3希望を1点とする加重方式で集計されています。
岡山・倉敷・総社エリアを中心とした地場企業がずらりと並ぶこのランキングは、単なる「人気投票」ではなく、学生の価値観や就活市場の変化を映す鏡ともいえます。毎年の変動を追うことで、企業の採用ブランド力や労働環境の評価が見えてきます。
2年連続1位は中国銀行——トップ20の全順位と変動まとめ
今年もトップに輝いたのは中国銀行。2年連続の首位となりました。2位にはトマト銀行が続き、金融機関の強さが際立つ結果となっています。
| 順位 | 企業・団体名 | 前年順位 | 変動 |
|---|---|---|---|
| 1 | 中国銀行 | 1位 | → |
| 2 | トマト銀行 | 2位 | → |
| 3 | つばめガス | 5位 | ▲2 |
| 4 | ミスターサービス | 6位 | ▲2 |
| 5 | 両備グループ | 3位 | ▼2 |
| 6 | キャリオン | 12位 | ▲6 |
| 7 | ダブルツリー | 7位 | → |
| 8 | おかやま信用金庫 | 9位 | ▲1 |
| 9 | 岡山村田製作所 | 4位 | ▼5 |
| 10 | 両備システムズ | 11位 | ▲1 |
| 11 | オージー技研 | 10位 | ▼1 |
| 12 | ジップ | 26位 | ▲14 |
| 13 | カイタック | 35位 | ▲22 |
| 14 | トーンボ | 19位 | ▲5 |
| 15 | 岡山県庁 | 31位 | ▲16 |
| 16 | 天満屋 | 24位 | ▲8 |
| 17 | 山陽新聞社 | 8位 | ▼9 |
| 18 | ベネッセコーポレーション | 16位 | ▼2 |
| 19 | グロップ | 20位 | ▲1 |
| 20 | 岡山市役所 | 67位 | ▲47 |
特筆すべきは岡山市役所の前年67位→20位という大幅ジャンプ。同様に岡山県庁も31位→15位と上昇しており、公務員人気の高まりが数字にはっきり表れています。一方、カイタック(35位→13位、+22)やジップ(26位→12位、+14)など中堅企業の急上昇も目立ちます。
「社風がよい」が10年連続トップ——学生が企業に求めるものとは
志望理由(複数回答)の集計では、「社風がよい」が10年連続で最多となりました。続いて「安定性がある」「知名度が高い」の順。この並びは一見シンプルに見えますが、背景には重要な変化があります。
- 社風・職場環境:テレワーク普及やハラスメント対策への注目が高まる中、学生は「実際に働きやすいか」を最優先に見ている
- 安定性:物価上昇・雇用不安を背景に、地銀・信金・公務員といった安定基盤を持つ組織への関心が再燃
- 知名度:採用広報の露出量が直接的に志望度へ影響していることを示す
就活DASH!事務局は「売り手市場は変わらず、地場企業にとって新卒採用は厳しい状況が続いている」とコメント。学生側の交渉力が高い現状では、企業側が「選ばれる理由」を明確に発信できるかどうかが採用成否を左右します。
木村:
「社風がよい」が10年連続トップというのは、実は採用担当者にとって非常に重要なシグナルだと思います。給与や福利厚生は数字で比較されますが、「社風」はなかなか数値化できない。だからこそ、日々の採用広報や現場社員の発信が長期的な企業ブランドを作る。岡山の地場企業が売り手市場を勝ち抜くには、”中の人”の声を積極的に外に出していくことが鍵になるんじゃないかと感じています。
公務員と中堅企業の躍進——岡山の就活市場で何が起きているのか
今回のランキングで特に注目したいのが、公務員と中堅民間企業の同時ランクアップという現象です。
岡山市役所の+47位という上昇幅は異常値ともいえますが、これは偶然ではありません。近年、岡山市をはじめとする自治体では副業解禁・フレックス導入・育児支援制度の充実など、民間に負けない働き方改革が進んでいます。学生がSNSや口コミを通じてその変化をキャッチし始めた結果と見ることができます。
一方、カイタック(+22)やジップ(+14)といった中堅企業の急上昇は、採用広報への積極投資や、インターンシップ・説明会を通じた「知ってもらう」機会の増加が効いている可能性があります。逆に山陽新聞社(8位→17位)や岡山村田製作所(4位→9位)のランクダウンは、競合が増えた中で相対的に埋没した形です。知名度があっても、毎年の継続的な発信を怠ると順位は下がる——このデータはそのことを示唆しています。
まとめ——岡山・倉敷・総社の地場企業が「選ばれ続ける」ために
今回のランキングを一言で表すなら、「知名度より実態、規模より文化」が評価される時代への移行が加速しているといえます。金融機関の安定感、公務員の環境改善、中堅企業の発信力強化——それぞれが異なるアプローチで学生の支持を集めています。
岡山・倉敷・総社エリアの企業にとって、採用市場の競争はますます厳しくなっていますが、地域に根ざした企業文化・安定した雇用・明確なキャリアパスを丁寧に伝え続けることが、長期的な採用ブランド構築につながるはずです。
木村:
このランキングを見て感じるのは、「地元で働く選択肢」が確実に豊かになっているということです。中国銀行やトマト銀行のような老舗金融機関が強い一方で、カイタックやジップのような企業が急上昇しているのは、採用に本気で向き合い始めた証だと思います。岡山・倉敷・総社には、まだ学生に十分知られていない魅力的な企業がたくさんある。そういった企業が「自分たちの良さ」を言語化して発信し続けることで、このランキングの顔ぶれはまだまだ変わっていくはずです。地域の就活市場が活性化することは、地域経済全体の底上げにもつながる——そう信じています。




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