岡山・井原発|OEM縫製工場が挑むM-47カーゴパンツ、Makuakeで初日118万円超えの快進撃

岡山・井原から生まれた「工場直送」カーゴパンツが話題を呼んでいる

岡山県といえばデニムの聖地・児島が有名だが、同じ岡山の地で、もうひとつ注目すべき動きが起きている。岡山県井原市に拠点を置く縫製メーカー「多賀株式会社(代表取締役:多賀信祥)」が、フランス軍の名作カーゴパンツ「M-47後期型」をベースにした新グリーンデニムのカーゴパンツを、応援購入サービス「Makuake」にて公開。その反響が数字として鮮明に表れた。

公開前の「もうすぐ公開」期間中には369人がお気に入り登録。そして公開初日(2026年6月28日19時時点)には、応援購入総額118万8,000円、達成率1,188%を記録した。目標の12倍近いサポートが初日に集まったという事実は、このプロジェクトへの期待の大きさをそのまま物語っている。

岡山から世界水準のクオリティを発信するこのプロジェクト。その背景にある「工場だからこそできること」に迫る。


なぜOEM工場がクラウドファンディングに挑むのか

多賀株式会社は、岡山県井原市で長年にわたり縫製製品のOEM生産を手がけてきた企業だ。OEMとは他社ブランドの製品を製造する受託生産のこと。技術力は高くても、消費者と直接つながる機会が少ないというのが、多くのOEM工場の現実でもある。

国内縫製業界を取り巻く環境は年々厳しさを増している。海外生産シフトの加速、縫製従事者の高齢化、後継者不足——こうした構造的課題の中で、多賀株式会社が選んだ道が「自分たちの技術で、自分たちの製品を届ける」という直販モデルへの挑戦だ。

これまでにもカーゴパンツを中心とした複数のプロジェクトをMakuake上で実施し、着実にサポーターを増やしてきた。今回のM-47モデルは、その集大成と位置づけられている。

Mサイズ着用シーン
▲ Mサイズ着用シーン
グリーンデニムリターン画像
▲ グリーンデニムリターン画像
XLサイズ着用シーン
▲ XLサイズ着用シーン

名作軍パン「M-47」とは何者か——現代に蘇るフランス軍の遺産

M-47は1940年代後半にフランス軍が採用したカーゴパンツで、大きなカーゴポケットと迫力のあるシルエットが特徴だ。現在でも世界中のミリタリーファンやヴィンテージ愛好家から高い評価を受け続けている、いわばワークウェア界の「クラシック名品」だ。

ただし、オリジナルのM-47はシルエットが大きく、現代の日常着としてそのまま着用するにはハードルが高い面もある。そこで多賀株式会社はM-47後期型をベースに、現代のライフスタイルに合わせたシルエットへと再構築した。無骨な存在感はそのままに、日常で長く愛用できる一本に仕上げることが、このプロジェクトの核心にある。

単なる「ミリタリーの復刻」ではなく、「現代着として機能するミリタリー」——その絶妙なバランス感覚こそ、OEM生産で培ってきた技術力と審美眼の賜物といえるだろう。


旧式力織機×グリーンデニム——素材から語るこだわり

今回のプロジェクトで採用された生地は、旧式力織機(シャトル織機)で織り上げたセルビッチ・グリーンデニムだ。現代の高速力織機とは異なり、旧式力織機はゆっくりと時間をかけて布を織る。その結果、生地に独特の凹凸感・立体感が生まれ、軍パンらしい武骨な雰囲気が醸し出される。

さらに数量限定で、吉和織物株式会社のグレイネップデニムを使用した特別仕様モデルも展開。グリーンデニムとは異なる、荒々しい表情を持つこの生地は、M-47の無骨さとの相性が抜群という。

グレイネップデニムリターン画像
▲ 数量限定・グレイネップデニムリターン画像

「無骨なのに、軽やか。」——見た目と着心地の逆説

一見すると重厚感のあるこの生地だが、実際に試着を重ねた結果、着用感は意外なほど快適だったという。その理由は、生地の凹凸によって肌への接触面積が少なくなり、通気性が確保されること。さらにM-47由来のゆとりあるシルエットが加わることで、暑い季節でも比較的快適に着用できる。

「無骨な軍パンでありながら、日常で穿き続けたくなる一本」——このコンセプトは、見た目のインパクトと実用性の両立という、最も難しい課題に正面から向き合った結果だ。

Mサイズ着用シーン
▲ Mサイズ着用シーン(グリーンデニム)

代表取締役・多賀信祥氏はこのプロジェクトについて、次のようにコメントしている。

「私たちは長年OEM生産を続けてきました。その中で培った技術を活かし、自分たちだから作れる製品を届けたいという思いからクラウドファンディングに取り組んでいます。M-47は以前から挑戦したいと考えていたモデルです。今回は新グリーンデニムとの組み合わせにより、無骨さと穿きやすさの両立を目指しました。多くの方に手に取っていただければ幸いです。」

― 多賀株式会社 代表取締役 多賀信祥

まとめ——「岡山のものづくり」が示す、産地発ブランドの可能性

今回の多賀株式会社のプロジェクトは、いくつかの意味で注目に値する。

  • OEM工場が自社企画製品を直販することで、技術力を消費者に直接届けるモデルを実証
  • 旧式力織機×セルビッチデニムという素材へのこだわりが、量産品との明確な差別化を生んでいる
  • Makuakeでの初日達成率1,188%という数字が、市場からの支持を客観的に示している
  • 岡山というデニム産地のバックグラウンドを活かした地域発信型のものづくりとして機能している

岡山は「デニムの聖地」として国内外に知られているが、その産地力は児島エリアだけにとどまらない。井原市もまた、長年にわたりOEM生産を支えてきた縫製の町だ。そのような地域の中から、こうした挑戦が生まれてくることは、岡山のものづくりの底力を改めて感じさせる。

木村

木村より

OEM工場がクラウドファンディングで直販に挑む、というのは言葉にすると簡単に聞こえるけれど、実際には「ブランドのない工場が消費者に選ばれる理由をゼロから作る」ということ。それを初日達成率1,188%という数字で証明してみせたのは、正直すごいと思う。岡山のものづくりが持つポテンシャルは、産地外の人が思っている以上に深い。M-47×グリーンデニムという組み合わせの妙もさることながら、「工場が自ら語る」というスタンス自体が信頼感を生んでいるのだと感じる。

プロジェクト概要

項目 詳細
プロジェクト名 名作軍パン「M-47」を新グリーンデニムで再構築
販売価格 29,000円(税込)
公開期間 2026年6月28日〜2026年7月29日
実施サイト Makuake(プロジェクトページ)

会社概要

項目 詳細
会社名 多賀株式会社
所在地 岡山県井原市木之子町170-2
代表者 多賀信祥
事業内容 縫製製品のOEM生産、自社企画製品の製造販売
電話番号 090-8713-8917
メールアドレス paddy-pp@ibara.ne.jp

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