岡山で幕を閉じる”全中ハンド”の歴史——その最後を記録に残す挑戦が始まった
2026年8月、岡山県で「令和8年度全国中学校体育大会 第55回全国中学校ハンドボール大会」が開催されます。
この大会は、単なる全国大会ではありません。全国中学校体育大会として実施される、最後のハンドボール大会となる見込みです。
少子化の加速と教員の働き方改革を背景に、中体連(日本中学校体育連盟)はハンドボールを含む9競技を全国中学校体育大会から順次除外する方針を打ち出しました。つまり、岡山開催が文字通り“最後の全中ハンド”になります。
その歴史的な大会を「ただの終わり」にしないために、岡山県ハンドボール協会が動き出しました。男女全44試合のライブ配信を実現するため、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」での支援募集がスタートしています。
岡山・倉敷・総社エリアに住む私たちにとっても、地元・岡山で行われるこの大会は、決して遠い話ではありません。地域スポーツの未来を考える上でも、見逃せない動きです。
なぜ”最後”なのか——全中からハンドボールが消える背景
全国中学校体育大会(全中)は、中学生アスリートにとって最大の全国舞台です。しかし近年、その存続が揺らいでいます。
中体連が除外方針を示した背景には、主に以下の課題があります。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 少子化 | 部活動の参加人口が減少し、競技によっては大会の成立が困難になりつつある |
| 教員の働き方改革 | 部活動顧問・引率にかかる教員の負担が社会問題化。長期遠征の見直しが求められている |
| 大会運営コスト | 全国規模の大会を維持・運営するためのコストが財政を圧迫している |
こうした構造的な問題により、ハンドボールを含む9競技が全中から除外される見通しとなりました。この流れは一朝一夕で変わるものではなく、2026年の岡山大会が「最後の舞台」となることはほぼ確定的です。
長年、全中を目標に練習を積み重ねてきた中学生ハンドボーラーたちにとって、この岡山大会は特別な意味を持ちます。全国から集まる選手たちが、最後の全中を懸けて岡山のコートに立つのです。
全44試合をライブ配信へ——クラウドファンディングの中身を読み解く
岡山県ハンドボール協会が挑む今回のプロジェクトは、男女合わせて44試合すべてをライブ配信するというものです。目標金額は150万円。これは、大会を配信するための最低限の予算として設定されています。
最低体制としては、カメラマン1名による「オフチューブ配信(ケーブル非依存の配信方式)」を想定。しかし、集まった支援額に応じて、複数カメラの導入や映像クオリティの向上など、配信内容の拡充も視野に入れています。
今回のクラウドファンディングで実現しようとしていることを整理すると、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 配信対象 | 男女全44試合 |
| 目標金額 | 150万円 |
| 最低体制 | カメラマン1名によるオフチューブ配信 |
| 支援額次第 | 複数カメラ対応・映像品質向上など拡充を検討 |
| プラットフォーム | CAMPFIRE |
配信の目的は「リアルタイムで試合を届ける」だけではありません。記録映像として残すこと、つまり「最後の全中ハンド」の記録を次世代へつなぐことも、このプロジェクトの重要な柱です。

木村:「ライブ配信って、やってみると思った以上に手間もコストもかかる。カメラ1台で44試合を回すというのは、それだけでも相当な覚悟がいる仕事。でも、だからこそ支援が集まれば集まるほど、選手たちへのリターンが大きくなる仕組みは理にかなっていると思います。」
会場に来られない人たちへ——配信が持つ「もう一つの意味」
全国大会に出場する選手の家族や友人、かつてその競技に青春を捧げた卒業生たち——。全員が会場に足を運べるわけではありません。距離、仕事、体調など、様々な事情で現地に来られない人は必ずいます。
ライブ配信は、そうした人々に「同じ時間を共有できる場」を提供します。試合のスコアだけを追うのではなく、選手の表情、チームメイトとの連携、一瞬のドラマ——そのすべてをリアルタイムで届けることができる。これはテキストやスコア速報とは次元の異なる体験です。
さらに、この配信は「最後の全中」という歴史的文脈を持ちます。単なる中継にとどまらず、中学生ハンドボールのひとつの時代を映像として残す記録事業でもあります。10年後、20年後に、かつてあの大会に出場した選手が、自分の試合を見返せる——そういう価値が生まれます。
岡山・倉敷・総社を含む地域のスポーツ支援という観点からも、この取り組みは注目に値します。地元で行われる全国大会の記録が、映像として全国に届き、未来に残る。それは開催地・岡山の誇りにもなります。
まとめ——”最後の全中ハンド”を岡山から未来へつなぐために
2026年8月、岡山県で開催される「第55回全国中学校ハンドボール大会」は、全国中学校体育大会として最後のハンドボール大会となります。少子化・教員の働き方改革という時代の変化が、半世紀以上続いてきた全中ハンドに幕を引かせることになりました。
その歴史的な大会を、ただ「終わらせない」ために——。岡山県ハンドボール協会は、男女全44試合のライブ配信を実現すべく、CAMPFIREでのクラウドファンディングに挑んでいます。目標金額は150万円。支援額に応じて配信クオリティも上がる仕組みです。
この挑戦は、選手・家族・関係者だけでなく、地域スポーツの未来を考えるすべての人に関係する話です。岡山という地からスポーツの記録を次世代へつなぐ取り組みに、関心を持っていただければ幸いです。

木村:「”最後”というのは、見方を変えれば”完結”でもある。その完結を、映像という形で未来に渡す——それがこのプロジェクトの本質だと思います。岡山でこういう取り組みが生まれていることを、地元の一人として誇らしく思うし、ぜひ多くの人に知ってほしい。クラウドファンディングへの支援はもちろん、まず「知ってもらう」ことが第一歩です。SNSでシェアするだけでも立派な応援になります。」



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