観光資源を”つなぐ”人材を求めて——瀬戸内市が挑む観光振興の新戦略
岡山県瀬戸内市は、穏やかな瀬戸内海に面した自然豊かなまちでありながら、点在する観光資源を有機的につなぐ仕組みが乏しく、地域経済循環に課題を抱えてきた。その解決策として同市が打ち出したのが、地域おこし協力隊「瀬戸内市観光インテグレーター」の募集だ。
観光飽和状態にある既存の観光都市とは異なり、これから成長が見込まれ、新規開拓の余地が大きい瀬戸内市での挑戦は、旅行業経験者や観光分野でのキャリアを活かしたい人にとって、またとない機会といえる。応募受付期間は令和8年8月12日(水曜日)から令和8年8月31日(月曜日)午後5時まで。副業との兼業も可能で、特に旅行業従事者を歓迎している。
募集内容:観光インテグレーター(3名)の具体的な活動
今回募集する観光インテグレーター(3名)の主な活動内容は以下のとおりだ。いずれも瀬戸内市観光協会と協力・連携・調整のうえ実施される。
| 活動カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| 観光コンテンツ造成・プロモーション | 地域のポテンシャルを活かした体験プログラムやツアーを企画し、旅行会社等へ積極的にアプローチする |
| 旅行サービス手配 | 旅行会社と連携し、宿泊・観光施設・移動手段など様々な旅行サービスを統合的に手配する |
| その他の観光振興業務 | 瀬戸内市内における観光振興に関する業務全般 |
この活動の大きな特徴は、3年間の任期中に培ったノウハウ・人脈・造成コンテンツを活かして、任期終了後に起業することを目指すという点にある。単なる行政補助ではなく、将来の独立・事業化を見据えたキャリアパスとして設計されている。
募集要項など詳細は、下記の市公式ホームページで確認できる。
瀬戸内市とはどんなまち?——立地・自然・産業・観光資源の全貌

瀬戸内市は、岡山県南東部に位置し、総面積125.46平方キロメートル、人口約3万5千人のまちだ。県都・岡山市に隣接しており、岡山駅からJR赤穂線で最短21分という抜群の交通アクセスを誇る。市の中心を東西に岡山ブルーラインが横断し、北側には国道2号線が通る。
地形的には、市の西端を南北に一級河川・吉井川が流れ、中央部には千町川との間に広がる千町平野が位置する。東南部は瀬戸内海に面した丘陵地と、長島・前島などの島々からなる多様な景観が広がる。
豊富な観光資源——「日本のエーゲ海」と「日本刀の聖地」
瀬戸内市は瀬戸内海国立公園を形成する温暖なエリアだ。観光面では特に以下の資源が注目される。
- 牛窓(うしまど):「日本のエーゲ海」と称される美しい海岸景観。西日本最大級のヨットハーバーを擁する。
- 長船(おさふね):戦国武将が愛した「備前刀」が現在も作られる「日本刀の聖地」。刀剣文化を軸にした観光資源が集積する。
- 多島美:穏やかな瀬戸内海に広がる美しい島々の景観。多くの観光客を惹きつける。
さらに農業・沿岸漁業・牡蠣の養殖といった一次産業も盛んで、地域産業の基盤を支えている。観光資源と産業資源が豊富に揃いながら、それらを「つなぐ」プレイヤーが不足していたという構造的課題が、今回の募集の背景にある。
今後の展望——隊員30名体制を目指す積極的な拡充計画
瀬戸内市は、人口減少・少子高齢化に伴う地域の担い手不足という課題に対し、地域おこし協力隊制度を戦略的に活用している。都市部から多様な経験や専門性を持つ人材を受け入れ、地域振興・観光振興・賑わい創出・住民生活支援などの分野で活躍してもらうことで、地域の活性化と定住促進を目指す。
具体的な目標として、令和8年8月1日現在5名の隊員を、令和8年度中に30名まで拡充することを掲げている。地域資源を活かした新たな事業創出や、地域課題解決に取り組む人材の積極的な受け入れを推進していく方針だ。
市が目指すのは、「人が集い、手取りがふえるまち」の実現。交流人口・関係人口の拡大、移住・定住の促進を通じて、地域住民や事業者との協働を大切にしながら多様な人材が活躍できる環境を整えていく。
市長からのメッセージ——民間ビジネスの知見を地域づくりに活かす

「人が集い、手取りが増えるまちづくり」に取り組みませんか?
こんにちは。瀬戸内市長の黒石健太郎です。実は、私も市外からの移住者です。交通面や生活面の利便性の高さとコスパの良さ、そして牛窓の自然や世界に通用する歴史文化に惹かれ、隣の岡山市から移住しました。
私は、新卒でリクルートに就職し、営業や新規事業開発に従事。その後、事業開発の知見を活かして起業の学校を立ち上げ、10数年経営してきました。インターネット広告代理店の運営経験も持っています。そのようなキャリアを積んだうえで市長に就任したこともあり、民間のビジネスや新規事業、マーケティングを活用して瀬戸内市の魅力をさらに磨き、発信できると強く感じています。
だからこそ、市長就任直後から力を入れて取り組んでいることの一つが、今回の地域おこし協力隊の募集です。地域おこし協力隊は、3年間の給与と活動費を支給したうえで、3年後までに事業化を実現し、独立起業を目指していただく取り組みです。
瀬戸内市は今年度から地域おこし協力隊の募集にさらに力を入れる方針を定めており、今回の募集はその新方針で展開を始めてから5度目となります。瀬戸内市地域おこし協力隊の創業メンバーとして、ぜひ力を貸してください。ともに、人が集い、手取りが増えるまちづくりを実現していきましょう。
問い合わせ・概要
地域おこし協力隊の任用について
岡山県瀬戸内市役所 成長戦略部 地域振興推進課
電話番号:0869-22-1031
メールアドレス:chiikishinko@city.setouchi.lg.jp
岡山県瀬戸内市について
瀬戸内市は岡山県南東部に位置し、岡山市に隣接する人口約3万5千人のまちだ。岡山駅からJR赤穂線で最短21分と交通アクセスに恵まれており、南部には穏やかな瀬戸内海が広がり、美しい多島美や「日本のエーゲ海」と称される牛窓の景観が魅力。温暖な気候を活かした農水産業・観光業が盛んで、官民共創による地域課題の解決や新たな価値創造にも積極的に取り組んでいる。



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