岡山市上場企業の年収格差が浮き彫りに
2025年9月30日に発表された最新データで、岡山市に本社を置く上場企業の平均年収ランキングが明らかになりました。SalesNow DBによる包括的な調査結果によると、株式会社ベネッセホールディングスが934万3千円で首位を獲得し、2位のE・Jホールディングス(916万5千円)、3位の大本組(906万3千円)と900万円台の企業が上位を占めています。

木村:総社市で事業をしている立場から見ると、この年収格差は岡山県の地域経済を考える上で重要なポイントですね。上場企業と中小企業、地域全体との差が724万円対372万円という数字で明確に表れています。これは単純な格差問題ではなく、地域の産業構造や人材流出防止の観点から真剣に考える必要があります。
ベネッセ首位の背景と岡山経済への影響
首位のベネッセホールディングスは教育・持株会社として、長年にわたって岡山の地域経済を牽引してきました。同社の高年収は、教育事業のグローバル展開と安定した収益基盤に支えられています。
| 順位 | 会社名 | 平均年収 | 業種 |
|---|---|---|---|
| 1 | ベネッセホールディングス | 934万3千円 | 教育・持株会社 |
| 2 | E・Jホールディングス | 916万5千円 | 建設コンサル |
| 3 | 大本組 | 906万3千円 | 建設・工事 |
| 4 | ちゅうぎんフィナンシャルG | 817万7千円 | 金融・持株会社 |
| 5 | オルバヘルスケアHD | 695万3千円 | 医療系卸売 |
注目すべきは建設関連企業の強さです。E・Jホールディングスと大本組が上位に位置し、7位にはウエスコホールディングス(597万9千円)もランクインしています。これは岡山市が建設・インフラ関連産業の重要な拠点として機能していることを示しています。
大本組は前期比75.1%増という驚異的な業績向上を記録しており、インフラ投資の恩恵を直接受けている状況が確認できます。
春闘の成果と最低賃金大幅上昇の影響
2025年の春闘では、連合岡山の報告によると賃上げ率が平均5.24%と過去最高を記録しました。定期昇給とベースアップを合わせた賃上げ額は平均1万5,310円となり、物価高騰への対応として大きな前進を見せています。
年齢・性別による年収格差
- 男性45~49歳:609万円(県内最高水準)
- 女性45~49歳:400万円
- 30代男性:450万円超
- 県全体平均:372万円(全国24位)
さらに重要なのは、2025年12月1日から岡山県の最低賃金が1,047円(65円増)に引き上げられることです。これは過去最大の上昇幅で、労働集約型産業に大きな影響を与えると予想されます。

木村:最低賃金の65円アップは中小企業にとって大きな負担ですが、同時に労働者の生活水準向上につながる重要な施策です。総社エリアの企業も生産性向上への投資を急がないと、この変化についていけなくなる可能性があります。
業界別年収と地域経済の多様性
岡山県の業界別想定年収を見ると、金融・保険業界が620万円でトップを占めており、ランキング4位のちゅうぎんフィナンシャルグループと10位のトマト銀行の高年収を裏付けています。
高年収業界TOP3
- 金融・保険:620万円
- コンサルティング:575万円
- IT・通信:525万円
製造業系
- 化学・素材:525万円
- 機械・電気:500万円
- IT(県内平均):429万円
特筆すべきは、IT業界の年収格差です。全国平均が509万円に対し、岡山県は429万円と80万円の差があります。しかし、地元のシステムエンタープライズ社は平均年収800万円台を実現しており、企業による格差が顕著です。
ランキング分析から見える岡山市経済の特色として、建設コンサル企業2社と金融系企業2社の存在が挙げられます。これは岡山市が建設・インフラ関連産業の拠点であり、同時に地方都市の金融センターとしての機能を果たしていることを示しています。
2025年経済見通しと地域活性化への課題
2025年の景気見通しでは「回復局面」と答える企業が6.4%にとどまり、慎重な見方が広がっています。一方で有効求人倍率は1.46倍を維持しており、雇用情勢は「持ち直しの動きにやや弱さがみられる」状況です。
地域経済の課題と展望
課題:
- 上場企業(724.5万円)と地域平均(372万円)の格差
- 中小企業の人件費負担増加
- デジタル化・生産性向上の遅れ
機会:
- インフラ投資による建設業界の好調
- 新産業創出の可能性
- 地方創生施策の効果
岡山県では物価上昇が続く中、高年収企業と中小企業、地域全体との格差拡大が重要な課題となっています。最低賃金の大幅上昇は労働者にとって朗報である一方、企業の設備投資や生産性向上への取り組みが急務となっています。
今後の持続的な経済発展には、デジタル化による生産性向上と新産業の創出が鍵となります。特に岡山・倉敷・総社エリアは、交通インフラの整備と産学連携の強化により、さらなる成長ポテンシャルを秘めています。

木村:このデータを見ると、岡山県の経済は確実に二極化が進んでいます。しかし、これは悲観すべきことだけではありません。上場企業の高い年収水準は、優秀な人材を地域に引きつける力になりますし、最低賃金の大幅上昇は消費底上げにつながります。重要なのは、中小企業がこの変化に対応するための支援体制を整えること。総社市をはじめとする地域自治体と企業が連携し、デジタル化支援や新事業創出のためのプラットフォームを構築していくことが、持続可能な地域経済発展の道筋だと考えています。
関連リンク
岡山市上場企業年収調査(福井新聞)
連合岡山春闘結果(KSBニュース)
岡山県年収ランキング(メルセンヌ)
岡山県最低賃金情報
岡山経済見通し2025(帝国データバンク)
【2025年最新版】岡山市:上場企業平均年収ランキングTOP10/SalesNow DBレポート



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