岡山発、革新的なニワトリ飼育アプリが登場
岡山県の学生が開発した画期的なアプリが、全国の動物愛好家たちの注目を集めています。岡山理科大学動物学科2年の毛利真吏央さん(20)が開発した「Rickock(リコック)」は、スマートフォンを通じてニワトリを遠隔飼育できるシステムです。このアプリは、都市部の住民や、ペットを飼うことが難しい環境にいる人々に、動物との触れ合いの機会を提供することを目指しています。
木村:岡山から生まれたこの革新的なアプリは、私たちの地域の創造性と技術力を示す素晴らしい例です。都市と農村の架け橋となり、人々に命の大切さを伝える素晴らしい取り組みだと思います。
Rickockの仕組みと特徴
Rickockの利用方法は非常にシンプルです。ユーザーはアプリをダウンロードし、飼育したいニワトリを選択して購入します。現在、以下の3種類のニワトリが用意されています:
- ボリスブラウン:赤玉卵を産む一般的な品種
- アローカナ:青い卵を産む珍しい品種
- ウコッケイ:栄養価の高い卵を産む品種
毛利さんとそのスタッフが日々の餌やりや鶏舎の清掃を担当し、ユーザーはアプリを通じて自分のニワトリの成長を見守ることができます。さらに、日生のカキ殻や岡山県産米のぬかを使用したオリジナル飼料3種類から、ニワトリの餌を選ぶことができるのも特徴です。
アプリには24時間ライブ配信される鶏舎の映像が表示され、ユーザーは自分のニワトリの様子をいつでも確認できます。そして、最も魅力的な特徴は、ニワトリが産んだ卵が定期的にユーザーの自宅に届けられることです。品種にもよりますが、1羽のニワトリは月に約20個の卵を産むそうです。
木村:地元の資源を活用したオリジナル飼料の使用は素晴らしいアイデアです。これは岡山の農業と連携し、地域経済の活性化にも貢献できる可能性がありますね。
Rickockの誕生秘話
毛利さんがRickockを開発するきっかけとなったのは、高校2年生の時の経験でした。当時、家庭の経済状況が厳しく、アルバイトと学業の両立に苦労していた毛利さんを支えてくれたのが、自宅で飼育していた動物たちでした。
「家が貧しくて大変な生活でしたが、飼っていた動物たちが心を癒やしてくれました。この経験から、命の尊さを伝えるアプリを作り、過去に自分を支えてくれた動物たちに恩返しをしたいと思ったんです」と毛利さんは語ります。
ニワトリを選んだ理由については、「単純にニワトリが好きなんです。元気に動き回る様子はずっと見ていたいくらいかわいいんですよ」と笑顔で話す毛利さん。しかし、個人でニワトリを飼育することの難しさも理解していました。「匂いや騒音、スペースの問題など、個人でニワトリを飼うにはさまざまな課題があります。でも、飼育を委託すれば、誰でも自分のニワトリに愛着を持ちつつ、生き物を飼う楽しさや大変さを感じてもらえると考えました」
また、岡山県の安定した気候がニワトリの飼育に適していることも、プロジェクトの実現を後押ししました。
Rickockの現状と今後の展望
毛利さんは、ユーチューブチャンネルでの出演やクラウドファンディングを通じて開業資金を集め、昨年12月に株式会社を設立しました。今年の春から本格的な準備を開始し、岡山市内に大学の友人と3人で鶏舎を建築。4月末には試作版をリリースし、現在は全国の約30人がアプリを利用しています。
「都市部やマンションに住んでいてペットを飼えない人のほか、子どもや高齢者にも動物とふれあう機会、癒やし、喜びを届けられたら」と毛利さんは話します。
アプリの正式リリースは10月末を予定しており、ニワトリは1羽5,000円から購入でき、飼育費は月額7,000〜8,000円になる見込みです。
将来の展望について、毛利さんは次のように語ります。「現在は正式リリースに向けて約100羽が収容できる飼育小屋の建築を進めています。事業が大きくなれば自分一人では手が回らないので、応援してくれる地元企業や、手伝ってくれる岡山の人を募っています。アプリが成功したら県外に進出して魚の養殖や養蜂などにも取り組み、岡山から新たなビジネスモデルを全国に広げたいですね」
木村:毛利さんの構想は、岡山の農業と技術を融合させた新しいビジネスモデルの可能性を示しています。これが成功すれば、岡山の農業や畜産業に新たな付加価値を生み出すきっかけになるかもしれません。
岡山から始まる新たな動物共生社会への一歩
Rickockは単なるニワトリ飼育アプリではありません。それは、都市と農村をつなぎ、人と動物の新しい関係性を構築する可能性を秘めたプロジェクトです。このアプリを通じて、ユーザーは食卓に並ぶ卵の生産過程を直接体験し、命の尊さや食の大切さを再認識することができます。
また、このプロジェクトは岡山の地域資源を活用し、新たな形で農業と技術を融合させています。日生のカキ殻や県産米のぬかを使用した飼料の開発は、地域の循環型経済を促進する可能性があります。
さらに、Rickockの成功は、岡山発の新たなビジネスモデルとして全国に波及する可能性を秘めています。魚の養殖や養蜂への展開は、岡山の豊かな自然環境と先進的な技術力を活かした新産業の創出につながるかもしれません。
毛利さんの挑戦は、動物福祉、食育、地域活性化、テクノロジー活用など、現代社会が直面するさまざまな課題に対する一つの解答を示しているように思えます。
木村:Rickockプロジェクトは、岡山の潜在能力を最大限に引き出す素晴らしい取り組みだと感じています。農業、テクノロジー、教育、そして人と動物の関係性など、多くの要素を融合させたこの挑戦は、岡山の未来を明るく照らす灯火となるでしょう。私たち地域の事業者も、このような革新的なプロジェクトを積極的に支援し、共に成長していく必要があります。岡山から始まるこの新しい波が、日本全体に広がっていくことを心から期待しています。



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